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WEBディレクターの本音ブログ

コストダウンを目論んでWordPress導入を検討する3つの間違い

   


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ここ数年で、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)でのWebサイト構築をご要望いただく機会も増えてまいりました。

以前は、我々制作側が「CMSの有効性」をご提案することが多かったが、いまではクライアント自身が「WordPress(CMSの一種)で構築したい」とご要請いただきます。

Webコンサルタントとしては、業界の専門的なツールが一般のWeb担当者にまで波及したことについて大変嬉しく感じます。ところが「なぜ?WordPressでの構築を望むのか?」と質問すると、「自社で更新することにして、更新コストを削減したい」という経費削減を目的とした答えが返ってきます。

確かに、ご自身で更新できるのは「情報の即時性」という意味では有効です。さらには昨今では「オウンドメディア」といった言葉も流行している通り、自社の魅力を自社発信することはSEO対策のひとつとなりますので、これを目的としているのであれば全力で構築をお手伝いすることでしょう。

しかし、単に「コストダウン」を考えてのWordPress(CMS)の導入には大きなリスクも伴うことを理解してもらう必要があります。
以下に、そのリスクを簡単に紹介します。

 

1.WordPressなどの汎用CMSはメンテナンスが必要

Webサーバーにシステムを構築することになるCMSは、不定期なメンテナンスが必要になります。
これは、通常使用しているPCにもある「OSのセキュリティアップデート」と同様のアップデートを行う必要があるということです。

システムの脆弱性は常にイタチゴッコで、構築したらそのままというわけには行きません。とくにWordPressのようなオープンソース汎用CMSでは、システム更新はマスト用件となります。

なぜならオープンソースという性質上、古いバージョンのセキュリティホールは全てネット上に公開されるからです。このような情報開示は用途によっては有効な情報源ですが、用途によっては悪意のあるものにもなります。

セキュリティホールについてのリスクは様々ですので、これらを回避するためのメンテナンスを自社で行う為には、社員教育や習熟訓練などを考える必要があるのです。

 

2. プラグイン(追加プログラム)の動作確認

上記と同様に、システムを構成している様々な追加プログラム(プラグイン)にもセキュリティホールが発見されることがあります。
これらの対策は、そのプラグイン単体で更新することで解決する場合や、システムそのものの更新と併用する必要がある場合など様々です。

また、CMSをバージョンアップしたことでプラグインが動作しなくなることもあります。この場合、システムの可動性を重視しながら対策を検討する必要があり、CMSのバージョンダウンや別プラグインの実装、プラグインの改変など幾つかの方法を考え、実装する必要があります。

これらの確認や作業も、本業と兼務して自社スタッフが対応することを考え、コストに見合うものかどうか判断が必要となります。

 

3.データの消滅

これがいちばんコワいことかもしれませんね。

CMSで作られたコンテンツは基本的にデータベース(DB)に格納されるので、そのデータ群はWebサーバー内でしか管理されていないものになります。静的なHTMLで構築したWebサイトであれば「.html」というファイルをPCに保存しておけばそれがバックアップとなりますがCMSではそれが叶いません。

よって、DBをバックアップするプログラムをCMSに追加しなければならず、そのデータの管理や普及のための操作などでは、システム構築と同等レベルの技術投入が必要になります。

 

上記にあげたリスクは、CMS導入でよく聞くトラブルの一角です。これ以外にもたくさんのリスクは存在しますが、「コストダウン」に着目してCMSの導入を考えている企業のWeb担当者は、これらを充分に理解したうえで導入を検討してもらいたいと思います。
読了ありがとうございました。

 


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