新規参入企業が提示する価格が驚愕なワケ
2015/12/09
BtoBビジネスを展開していると、時に「はじめて価格」という言葉に触れることがあります。
これは「参入価格」と呼んだりもしますが、文字通り『新規参入を目的とした金額設定』のことを意味し、その金額を記載した見積書を指します。
中小の制作会社において、大手メーカーと継続的な取引を行う契約を獲得することは企業の業績向上と安定に大きく影響するばかりか、この取引によってカンパニーブランドの強化に繋がることでもあり、経営層にとっては喉から手が出るほど欲しい契約であります。
そんな大手メーカーから見積もり依頼が来ると、目前の案件に関する費用ではなく『5年、10年先の取引の中で生まれるであろう利益』を計算し、それを得るためにはじき出された数字が「はじめて価格」として見積書に記載されます。
※「はじめまして」の意という説もある。
過去に国の政策における入札案件で「1円入札」なんていう言葉が騒がれたときもありましたが、この「1円」が正に「はじめて価格」です。
該当の案件(例えばシステム構築)を1円で受託したとしても、その後の業務(保守・メンテナンス)でそれ以上の収益を見込んでいるわけです。昨今では、これほどあからさまな「はじめて価格」を目にすることはなくなりましたが、民間のBtoB取引においては未だにこのような数値が提示されることがあるようです。
特に、ホームページ制作という分野は新興企業も多く「はじめて価格」の競争が激しい業種でもあります。
企業のホームページ担当者は、これを逆手にとって案件発注を計画することも戦略上必要になるかもしれませんが、制作会社の視点では、新興企業の参加する相見積もりの案件は「見送り」を考えても良いかもしれません。読了ありがとうございました。