売れっ子クリエイターの時間の使い方|制作を完成させるまでのプロセスがクライアントを魅了する
2015/09/08
個人事業主クリエイター(フリーランス)達にとって制作の仕事は、常に時間との戦いであったりもする。
与えられた時間の中で要望されたものを具現化していく作業は、予想される以上に“知力と体力”を要する。
また、暗黙のうちにハイクオリティが求められており、いちどクオリティ面での信頼を失うと「二度と声が掛からない」といったことも日常茶飯事である。このあたりのシビアさが “会社員クリエイター” と大きな違いだ。
そんな彼らとの比較において、制作作業に関する時間の使いかたにも大きな相違が見られる。
制作完成までのペース配分の違い
会社員クリエイターは、制作物の完成までに与えられた時間を以下図のように使う。
これは、時間の経過と共に完成度が上がっていくという制作時間配分を示している。
しかし、個人事業主クリエイター(フリーランス)達は下図のように制作時間を使う。
先のグラフと比較すると、一定のペースで制作が遂行していないと言える。このスタンスは、ディテールにこだわり過ぎることなく一気に80%程度まで制作を完成させる手法で、それ以降に少しづつ体裁を整え、精度を向上させていくという時間の使い方を示している。
この2つは、制限時間での完成度は互いに100%を表現しているが、現場経験の長いディレクターは間違いなく後者(フリーランス)との協働をチョイスする。
なぜならば制作途中において、その制作の全貌が見えていないことほど不安を煽るものはないからだ。さまざまにトラブルや問題が起こりうる制作工程において、不安要素は少しでも減らしておきたいと考えるのが、一般的なディレクターの心理だ。
全貌が見えているものほど心理的に落ち着くことができ、様々な出来事に対処できる。
これは、ディレクターだけでなく実際に作業を行っているデザイナーにとってもプラスに働くことが多い。
クライアントの追加要望や急な方向転換などに対しても対応できるばかりか、早期に全貌が見えることでフィードバックが比較的早い段階で入手できるといったことや、急な納品要請にも対応することもできる。
相手に与えた安心感は、制作工程においてそのまま自分に帰ってくる。
例えば、時間的に圧迫された案件では、すべての人が時間に追われ心理的な余裕がなくなってくる。そのような余裕のない状況は、様々な悪影響をもたらす。(会議が御座成りになる、ぞんざいな発言が目立つ等。)
そればかりでなく、制作の最終局面における自分自身への納得感や満足感といった部分の追求に時間を使えたり、立ち止まることや後戻りすることにも心理的な不安を感じることがない。
このように制作時間の使い方次第で、計り知れない恩恵を受けることが可能となるのだ。
ベテランクリエイターは、こういったことを考慮しながら時間を効果的に使っている。
アナタはこのような時間の使い方ができているか、いちど検証してみると良いかもしれない。
読了ありがとうございました。