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WEBディレクターの本音ブログ

書籍店から学ぶ「新しい価値」の創造

      2015/09/08


bookstore

インターネットが普及した昨今、あらゆるメディアの販売形態が変化した。
音楽CDは、楽曲のデータ販売により物理的な販売経路が消滅しかかっており、レンタルビデオも同じ道を辿る気配を漂わせている。

そんな中、早くから危機を謳われていた書籍店に関しては、実店舗の減少は否めないなががらもその価値を維持し続けている

1990年代後半のデジタル化時代から、データ化による電子書籍の波がゆっくりと押し寄せ、2000年以降には急成長のAmazonというインターネット通販の大波にもまれながらも、大手書籍店は実店舗ならではの価値と差別化を図っている。

これは、インターネットを脅威に感じているさまざまな業界に対して、ひとつのヒントを与えてくれている。

実店舗の価値とは、インターネットの弱みを突いた「視覚に訴える販促スタイル」である。

インターネットは、キーボードを叩けばありとあらゆる情報が手に入る。
しかし、裏をかえすと「キーボードを叩かなければ手に入らない」ということだ。

キーボードを叩くという行為は、すでに顧客の頭の中にそのキーワードが存在しているからこそ行える行動であって、そうでなければ思いもつかないことだ。

書籍店は、商品の陳列において様々な工夫を凝らしており、その宣伝活動を店舗内で実行することで、顧客の知らないキーワードを訴求している。

小規模書籍店が姿を消し大手書籍店が継続できている背景には、インターネットに劣らない在庫量と共に、店舗内における書籍宣伝手法が顧客に受け入れられている証拠だろう。

音楽でいうと、いわゆる「ジャケ買い」などを好んで行う顧客達は、インターネット購入を望まず、実店舗へ足を運んでいるという実態があるのも、これに近い集客戦略なのだろう。

さらには「試し読み」が、インターネットとの差別化を生んでいる。
インターネットでも試し読みサービスを有するサイトも多いが、これはサービス提供側主導で制限されたページしか閲覧できず、全く有益性を感じない。

書籍の内容を全て立ち読みで読破するような類人はさておき、自分の興味のある部分を一読し「自分に必要な書籍かどうか」を判断できるということは、顧客にとって大きなメリットとなっており、これが店舗に足を運ぶ大きな要因となっているのだ。

このように、インターネットの普及によって苦汁を飲まされている業界も多々存在する中で、書籍店の現在のあり方は「業界の新しい価値」を見出し、「差別化を図る」ことで有効的な営業戦略を展開している良い事例であると考える今日この頃である。

読了ありがとうございました。


 - エッセイ, マーケティング・戦略

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