「三方良し(Win-Win-Win)」の関係を築くためのクリエイターの思考
2015/09/08
クリエイターには、以下2種類の思考の人材が存在する。
- 細部までこだわり、最高の成果物を作り上げることに懸命になるクリエイター
- シンプルかつ最小の労力で考えられる最高の成果物を創りあげるクリエイター
両者はどちらも優秀なクリエイターであることに違いはないが、「ビジネス視点をどれだけ持ち合わせているか?」という部分において大きな差がある。
デザインであれ、コーディングであれ、案件内の ”作業” とみなす工程はミニマムに行うことがビジネス視点では重要になり、前記クリエイターのうち後者は、ビジネス視点で案件に取り組んでいると言える。
すべてのビジネスが「売上ー費用=利益」という図式の中で経営管理を行っているわけだが、Web制作会社に関して言うと、費用の約80%程度が人件費(クリエイターやアウトソース)となっている場合が多い。
そうすると最大の利益を生むためには、売上を最大まで向上し、人件費を最小まで削減することが必要だ。
しかし、それはクライアントの顧客満足を損なわないことが条件となる。求められているクオリティが表現できていなかったり、納期に間に合わないなどは本末転倒であり、企業としての存続に問題が生じる。
顧客満足度をキープしつつ、各数字の最大化、最小化にトライしていくことが経営管理
このようなことを考えた場合、作業はミニマムで遂行することが望ましいと考えるのが経営者目線の思考だ。
ここでいう「ミニマム化」は、低費用リソースの準備や手を抜くことを意味するのではなく、最大の効用を最小の労力で達成できる計画力と調整力、創造性、経験と知識からコントロールされたワークフローの構築が重要となる。
与えられた時間を最大に使って、細かいところにまで手の行き届いた成果物を作り上げるワークフローでは、クリエイターおよび顧客の満足は得られるだろうが、企業としての満足は得にくい。
企業、クリエイター、顧客の3者すべてが「Win」となるためには、顧客満足はそのままに、クリエイターが得る満足感を何処に位置付けするかということが重要になる。
「三方良しの関係」(顧客、企業、クリエイター(従業員))を求めるにあたって、作業のミニマム化を実現できるクリエイターは、この満足感の位置付けがビジネス視点(経営目線)で考えられており、将来が楽しみな人材と言えるだろう。
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