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WEBディレクターの本音ブログ

人的コミュニケーションの活用_「肯定の伝染論」

      2015/09/08

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自己肯定感

公共施設の洗面所などで見かける「汚さないで下さい」という張り紙だが、こんな張り紙が貼ってあるところほど汚れている場合が多い。

汚れているから「汚さないで」と訴えかけている訳だが、実はこの張り紙によって「汚れる」という訴えとは逆の効果を生んでしまっている可能性があることを知っていたか?

世には「汚すな」と命令するほど、その逆の行動に出るヤツが存在する。いわゆる天邪鬼ってヤツだ。

そうでなくても悪意のあるヤツは存在し、「汚すな」といわれるほど「汚す」のだが、悪意がなくても自分の中に存在する天邪鬼がヒョイと顔を出す瞬間はいくらでもある。

平素であってもそうなのだから、「イライラ」「ムカムカ」している時などが生む ”気持ちの隙” が「汚すな」という文字(言葉)に反抗したくなる気分を助長するということは分からなくもない。

だからこそ、こんな気分にさせないための工夫が必要なわけだが、これを回避するための仕掛けは実はとても簡単なのだ。それは「いつもキレイに使っていただきありがとうございます」という感謝を込めた言葉の掲示なのだという。

前例とはまったくの真逆の言葉を利用した掲示であり、なんとなくシャクに障るようにも受け止められるが、実際に成果がみられるのだそうだ。

これは、人的コミュニケーションの要素でもある「自己肯定感」に関係しているものであり、「いつもありがとう」と第三者から「感謝されている(肯定感)」意を受けることで、相手に好意を持つというのだ。

実際のコミュニケーションの場面でも、人から肯定されると気持ちが良くなり、その人のことも肯定したくなるという心理は確かに頷ける。

この張り紙は、ありがとうと感謝の意を示している掲示主に対して、その意に反した行動に移しにくい環境を作っているという戦略的なことに繋がっている。

このような掲示ひとつでも、人の行動をコントロールするための心理を計算して掲げられていることが理解してもらえたのではないだろうか。

読了ありがとうございました。


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