組織の変革に必要なのは正論ではなく配慮と行動である
企業のWeb担当者として、改善案や課題解決の企画において「上長が分かってくれない!」と苛立ちをあらわにした方も多いのではないでしょうか。かく言う私も、そんな感情に押しつぶされそうになることは何度も経験してきております。
これは、消費者と近しい媒体であるということとプラスして、トレンドや競合他社の動向など営業戦略に影響する情報が直に伝わってくるメディアの特徴から、真面目に仕事に取り組んでいるWeb担当者であれば誰しもが経験したことのある感情でしょう。
企画や提案を最高責任者(経営)陣に直接説明することができれば、企業の有益性という視点から内容の詳細を求められるのであろうが、そこに至るまでの中間管理職の理解段階でその提案の消息が途絶える。
企業の組織体によって様々だろうが、現場に近しい係長・課長クラスはよいとして、部長・本部長クラスになると上記の弊害が一気に強く、高くなる。
これは、このポジション(部長・本部長クラス)の方々に多く見受けられる「自分の知らないことを、勝手に推進されることを嫌う」という特徴が影響しているといえる。
ベンチャー企業でもない限り、このポジションの方々は年配者も多く、Webやインターネットに関しての知識に長けているとは言い難い方も多い。それ故に、経営成果に直接左右する事柄もここでストップしてしまうことが多いわけだ。
このような社内の政治的弊害によって企業の利益を蝕む現状は、やるせなさが大きくなるばかりでなく、指をくわえてみていることしか出来ない現場の人間のモチベーションが一気に急降下する。それが影響して、業績グラフは平行線を辿ることになり、最終的には誰も提案を発しない文化が構築され、企業の腐敗がはじまるワケだ。
こんなことは誰もが良いコトとは思っていないが、この現状を打破することが出来ない企業は多い。
それでも諦めず、行動し続けることが大切だ
企業のWeb担当者の皆さんには「このような事態は必然」と捉え、これ(社内弊害)をもコントロールする配慮が必要なのだと説きたい。
正しいことを主張しているからと、それに耳を傾けない世の中を否定するのは愚弄であり、自分の主張をビジネスに活かしたいのであれば、それ相応の配慮と根回しが必要ということだ。
マーケティングにおいても「良い商品を作りさえすれば売れる」なんてことは現代では在り得ない。程ほどの商品でも戦略的な商品PRを駆使すればベストセラーになったりもする。
正論を主張したければ、その正論を聞いてもらえるところに自身が立たなければならない。そのためには何をしたらよいのかという計画性と、それを実行するだけの行動力が欠けた人の物言いに誰が耳を貸すのだろう。
このことを、いま一度よく考える必要があるのではないか?と、責任感のある有能なWeb担当者に説いかけたいと思う今日この頃である。読了ありがとうございました。