チームワーク制作プロセスはWebサイトを10倍輝かせる
2015/09/24
Webサイトの「新規構築」や「リニューアル」を実施するとなったとき、Web担当者やWebディレクター(以下あなた)が、どうしても手の出せない領域がUIデザインです。
Webサイトの顔となるUIデザインは、この制作にかかわる全ての人が重要と位置づけますが、そんな重要な部分をどのようにして満足のいくものにするか?
あなたにとっても当然のごとく力が入ることでしょう。
しかし、ここでひとつアドバイスを。
デザインなんて気にするな!
である。
あなたの仕事は、デザイナーに要望を漏れなく伝えることであり、自分のイメージ通りのデザインをデザイナーに再現してもらうことではありません。
強いてできることといったら、デザイナー選考において実績やサンプルから自分の好みにあったデザイナーを選べるという担当者としての特権があるだけです。
なぜこのようなことを記事にするか?
過去の制作現場において、デザインに関して口を出す担当者とご一緒したことがあります。
正直、担当者がデザインについて指摘をしても、まず間違いなく良いものに変貌を遂げることはありません。それどころか、計算されたデザインがどんどん劣化していくだけです。
デザイナーは、日々最良のデザインのことを考えて生活しています。
様々なWebサイトを閲覧し、調査し、評価し、自身の糧として蓄積しています。
要望を細かくヒアリングし、自身の知識が欠落している分野の情報に関してはそれを勉強し、今のトレンドとこれからの技術革新を考慮し、最高のデザインを提案しています。いままでもこうして数々の実績をあげてきているのにもかかわらず、そのデザイナーの提案になぜ素人が手を加えさせるのでしょうか?
よく見聞きした場面を振り返る
「なんとなくイメージが違う…。」
「ここの色はコレじゃない方がいい…。」
「もっと繊細でマッタリとした感じが欲しい….。」
上記のような感想ともいえる修正の要望は、何度作り直しても満足なものにはならず、あなたはデザイナーと制作完了まで泥試合を展開するだけでしょう。
このような光景は、百戦錬磨のベテラン担当者ではなく新人担当者との案件に多くみられます。
これは、完全にWeb制作(それだけでなくクリエイティブ要素が関係する制作)プロセスの経験不足が原因です。
もしくは、社内スタッフによる制作プロジェクトの経験が多い社内ディレクターで、他社や社外クリエイターとの協同制作や、社内の暗黙のパワーバランスに縛られることのない関係者とのコラボレーション経験が少ないことが原因と考えられます。
これらはどちらも「チーム制作で想像以上の出来上がり」経験が乏しいことが共通点です。
この経験は、あなたのこれから先のキャリアやアイデンティティに大きく影響を与える事柄ですので、なるべく早く経験してもらいたいものです。
Web制作は互いを否定することではありませんし、デザイン考案は担当者のイメージを再現する工程ではありません。本当に満足いかないデザインであれば、一度は修正をお願いしてみても良いでしょうが、その場合具体的な修正指示を伝えることは忘れないでください。
それでも、不十分だった場合はデザイナーを変更することをお勧めします。
最後に、これだけは理解しておいてほしい。
制作はチームワーク作業である。
マネージャー、デザイナー、ディレクター、コピーライター、プログラマーなどが集まって、自分たちの得意とする領域で役割を担い、ひとつのモノを制作します。与えられた役割は、それぞれの担当が責任を持って最大限の努力でカタチにします。
あなたはデザイナーからあがったカンプに込められた思いを、事細かに納得のいくまでヒアリングし、そのバトンを受けて決裁者の同意をとることが役割です。
チームスタッフそれぞれが自分の役割を全うし、それぞれの思いが詰まったWebサイトができたとき、それは必ず売れるWebサイトとして成長していくはずです。
読了ありがとうございました。