デザインにばかりこだわるクライアントに教える本当のWebサイトの価値
2015/09/08
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あなたが優秀なWebディレクターであるということを聞きつけ、顧客から相談を持ちかけられたとする。
その内容は、現在公開中であるコーポレートサイトのリニューアルについての相談で、以下の問題を解決したいという。
- デザインが古い感じがする
- 他にないインパクトが欲しい
さて、あなたはこの企業にどんな提案を考案するか?
上記2点を問題としてあげたクライアントの真意は、一言でいうと「見た目を良くしたい」ということだろうが、このような理由でリニューアルを考える企業の案件を引き受けるのは正直気が進まない。
なぜならば、このクライアントのWebサイトに対する価値観は「見た目の印象」という表面的なものでしかないからだ。
Webサイト…。特にコーポレートサイトの本質は、その提供情報の有効性とターゲットに向けての営業戦略に基づいた販促活動にある。
それを考えず、Webサイトの「見た目の印象」だけにこだわるのであれば、有名な芸術家に作品をお願いしそれをWebサイトに貼ればいい。
この本音を隠しつつ制作を受注することは間違いなく無いが、ここではそれを100歩譲り提案を考えてみよう。
はじめに、ビジュアル面(見た目の印象)に気を取られているクライアントに対し、新しい価値観を見出してもらう提案をする必要がある。
なぜならば、デザインという要素は人の感性によって”良い悪い”が左右される「正解のないもの」だからだ。
この、正解のないものにパワーを注ぎ込み提案を繰り返してもクライアントの気分で迷走するだけだ。
また、「見た目の印象」に捉われている顧客でありがちなのは、はじめはデザインに満足していても、制作が進んでいく時間の経過とともにデザインの新鮮さが薄れ、意味もなく修正を言い出すことだ。
だからこそ、価値の視点をデザインから別の要素に移すことが必要になるわけだが、
何を価値観として提案すべきなのだろうか?
これは、人の感覚や個人的な趣味・趣向に頼らない不変なものであることが望ましい。その代表といえば「数字」だ。
数字は提示以上でも以下でもなく、誰もが同じ理解を示す。
その数字に意味を付随すると、そこには人の思惑や考え方の違いが生まれるが、数字自体は誰が見ても変わらない。
そして、この数字を目標とする企画と提案を行う。具体的には、PVやコンバージョン率を提示し、それを達成することで得られるベネフィットをWebの成果として案内する。
それまで見た目にこだわっていたクライアントも、潜在的にはWebからの集客と業績向上を願っているに違いない。
そう想定し、成果がもたらされることがWebサイトの一番大切な使命であることをご理解いただき、そこに価値を見出してもらう。そして、その数値の達成に向けて一丸となって制作に尽力することが、本当のWeb制作の姿だ。
それでも見た目のデザインにこだわるようなら、たった一言あれば済む。
「予定がいっぱいです」と…。
読了ありがとうございました。