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WEBディレクターの本音ブログ

Web業界の景気と世間のイメージにギャップを感じるWebディレクター

      2015/09/08


WEB業界

今日は少しWeb制作業界に関しての現状を書こうかと思います。

私は本業で、Web系ITコンサルティングを行いながら、企業のWebサイト制作やWeb戦略のサポートなどを行っています。
もともとはWebサイトの構築・運営管理がメインであったため、企業サイトの制作依頼が大半を占めています。

Webサイトの制作案件は、比較的年度末が繁忙気となることが多いのですが、これはクライアント側の決算期との兼ね合いで、1月〜3月にかけてはありがたいことに大忙しとなることがここ数年続いています。
こんな話をすると「儲かってますね」などと声をかけられることが多いですが、正直Web制作の受注が何件増えても実績が増えるだけで、儲かるということはありません

世間的には、Webサイトを企業広告の一環として認識されている方も多いですが、その制作に回ってくる予算は桁が1つか2つ程違います。

また、そんな予算でも競合が多く存在するので、価格の叩き合い、奪い合いになります。(とくに個人クリエイターの価格はエゲつない。)

さらに今流行りのクラウドソーシングサービスなどは、ビックリするような金額で案件の受発注がされているといいます。

クラウドソーシング比較サイト_http://list.crowdsourcing-fan.com/

クラウドソーシング

これからWeb業界での活躍を考えている若人の皆さんにとっては、かなり酷な話かもしれませんが、現状の制作現場はヒーヒー言っています。(これは、忙しさにたいしての叫びと、収益の希薄にたいしての叫びが入り交じったものです。)

しかし、よくよく考えてみると制作業界というものはどの分野でもそうなのだろうと思います。
知り合いのテレビ業界の制作も、現場はかなりの過酷さを強いられていると泣き言を聞かされたり、雑誌編集などの分野でも同様なエピソードは余るほど聞きます。

大手企業のWeb制作を請け負った知人は、「実績として利用していただき、長期的に考えていただいて…」とクライアント発注担当から、利益度外視をお願いされる始末だとか。そして、なんだかんだと制作に時間がかかり赤字ギリギリでFIXすることなんて日常茶飯事だと言う。

ときに「Webデザイナー」が憧れの職業などにランクされると、現状を知っている私はアタマを傾げる。

その昔、カリスマとメディアで取り上げられた職業があったが、その時の憧れの職業は美容師だったことを思い出した。今の美容師は、当時の派手さは身を隠し、誠実に技術を披露している。もしくは、現場から次のステップへ移っているようだ。

Web業界も、取り上げられるデザイナーの芸術性はごく一部で、それ以外は作業者としての職業に就くとこになるのだろう。

カリスマ美容師

 

そしてその先はどうなっていくのか?

だからといって、制作現場を経験していないクリエイターに、業界の次のステップへの階段は見えてこないと思う。その分野で、がむしゃらに自身の技術を磨き、努力した人にだけ、次のステップへの扉が見えてくるのかもしれない。

もしくは、偶然を装った必然的な出会いが手助けしてくれるかもしれない。

インターネットで検索した成功記事などを読むことで、自分の中の情熱が刺激されるが、それが出来たのは自分の技術や目指すものに対して努力を惜しまず、今日まで過ごしてきた人に限られる。

昨今では、上記のサクセス・ストーリーがインターネット上にゴロゴロ転がっている。

その表面的なストーリーを読むことで、あたかも自分にもできると勘違いしている人たちがいる。そのストーリーが成り立つだけの「書き記されていない努力」に注目せずに…。

そんな人はよく「私はコンサルタントをしています」など自己紹介しながら私の前に現れる。最近は、そんな偽物と話をする機会がめっきり減ったが、数年前の飲み会の席でそんな人たちに囲まれた時もあった。

そんな経験から、私は「ウェブ・コンサルタントをしています」と自己紹介することに抵抗を感じた時期があった。「あった」。そう過去形である。

その抵抗がなくなったのはいつからか?

本物の方々と繋がり、実績が自己紹介の必要性をなくした時から「私はコンサルタントをしています」と言えるようになった。

さて、ここまで書いて「何が伝えたかったのか」と振り返る。

  • Web業界は儲かっていません
  • 現場で努力を惜しまないこと
  • 努力した人だけに次のステップは見えてくる
  • 実績が最大の自己紹介

それぞれの項目に、またそれぞれに付け加えたい持論がありますが、今回のところはここまでとさせていただきます。

読了ありがとうございました。


 - エッセイ, 現状報告

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